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集団走行のルール

なぜ自転車レースは鳥の群れの様に固まって走行をするのでしょうか? それは、空気抵抗を避けるために選手同士が意図的に固まって走るからです。 先頭にいる人が一番風を受けて体力を消耗します。 それを防ぐために、選手は先頭を交代し、体力の消耗を選手同士分散させて、速いスピードを保ちます。

このように、風を避けながら走行する事が、レースでは選手同士の駆け引きを生み、また、上手く風を見方にする事によって大きく勝利へ近づきます。 自転車競技の魅力の1つでもある集団走行ですが、各選手が<集団走行のルール>を守らないと大事故につながります。 そのルールを、皆さんご存知でしょうか?


集団走行のルール

安全な集団走行を行う際、選手の力量、スピードなどが違っても、走り方は同じです。 基本的には以下の3つの事を守ってください。

Point1 しっかりと前を見る
Point2 走行ラインのキープ
Point3 周りとの協調性


Point1

前の選手の後輪やお尻を見るのではなく、自分が走っている集団の先頭を見るイメージで広い視野を保ちながら走りましょう。 特にスピードが上がってキツイ時や、レースの後半になり体力が消耗してきた時などは、意識的に注意しましょう。 前をしっかり見て集団の動きを把握しながらスムーズに走る事が出来れば、体力を温存して楽に走る事ができます。 また、自分の横や後ろに選手の気配を感じた時、ついつい気になって横や後ろを見てしまいます。 しかし首を振って見てしまうと自転車のハンドルも振れてしまい、横の選手のハンドルと絡んで、転倒の原因になります。 気配は感じ取るだけにして、キョロキョロと首を振って見るのはしないでおきましょう。


集団走行のルール

Point2

基本的にコースには自動車道路のように車線の区切りはありません。 しかし、レース中に集団走行を行っていると3列並走、4列並走という状態になります。 このような状態になった時は左右の選手への配慮が必要となります。 イメージとしましては、3列並走時には3車線道路を、4列並走時には4車線道路を自動車で運転している時をイメージしてください。 特にコーナーを通過する時には、自分が走行している車線からはみ出さないように注意が必要です。 各選手がこのルールを守れば、並走状態でコーナーに入っても安全に曲がる事ができます。 自転車競技は、競い合いの中にも、譲り合いが必要なのです。


集団走行のルール

Point3

ケース・バイ・ケースになりますので説明が難しいのですが、例えば、集団から離脱したい場合、いきなりペダルを漕ぐのを止めてスピードを落とすと後ろの選手に追突される可能性がありますし、迷惑もかかります。 まずは、左手で左に寄りたいと言う事を、自分の左から左後方の選手へアピールしてあげてください。 その後、急ハンドルを切らずにゆっくり左へ寄っていきましょう。 また、コースの危険箇所での無理な追い抜きや、蛇行等も止めましょう。 周りの選手への気配りが大切です。


自転車のルールブックにはこのような事は載っていませんが、安全なレースを行うには、この「暗黙のルール」を選手各自で守る必要があります。 僕たちが走っている国内のエリートレース、そしてプロツアーの選手も当然、選手各自でこのような事を守って走っています。 安全な状態の中だからこそ全力でレースが出来ると思います。 ぜひ、実行して頂きたいと思います。

向川選手

Written by 向川 尚樹
チームマトリックスパワータグ所属/プレイングコーチ。