レース前の食事【体調管理】

皆さん、レース前の食事で何か気を付けている事はありますか?
例えば「明日はレースやから、今夜はエネルギーを蓄える為に腹いっぱい食べとかなアカン!」とか、「レース中に腹減ったらアカンから、走る前に食べとこ!」などと考えたりはしていないでしょうか? 実はこれらは大きな間違いなのです。

ご飯の場合、食べてから筋肉を動かすエネルギーとなるのに1~2日かかります。なので、レース前日や当日に多量に白米などを摂取しても、恐らくそれらがエネルギーとして使用されるのはレースの翌日と言う事になってしまいます。それどころか、食べる物によっては消化器に負担を掛けるので、胸やけや体が重ダルくなる事もあります。

では、どのようにして、体にエネルギーを蓄えれば良いのでしょうか。

体にエネルギーを蓄える方法に「カーボローディング」と言われるものがあります。この方法は、初めに炭水化物の食事を2~3日間絶って体内のグリコーゲンの貯蔵を枯渇させます。それから、炭水化物中心の食事を2~3日間続けることで、通常の1.5倍ほどのグリコーゲンを体に蓄える事ができるのです。しかし、この方法には偏食による体調管理の難しさや、レースが毎週続くと行えない、練習が思うように行えないというリスクがあります。

今回は僕もレース前に行っている、誰もが簡単にレース当日体が良く動くように仕上げる方法を紹介したいと思います。

  1. レースの1週間位前から、グリコーゲンの消費を減らす為に長時間の練習と高強度の練習を減らします。
  2. それと同時期から複合炭水化物(ご飯・パスタ・パン)を多めに摂るようにします。いつもの1.5倍~2倍ぐらいが目安になります。※注:甘いもの(単糖類)は控えましょう。
  3. レース前日と当日は普通の食事に戻し、食べ過ぎないように、また消化の良い物を摂るようにします。

ですから、勝負に勝つ為の勝負飯は「トンカツ」はNGという事ですね。これで、エネルギーの補給は完璧です。

そして、レース直前の食事は消化の良い物を、スタート3時間前に終わらせておきます。スタート時には消化が完全に終わった状態でスタートできるようにします。また、最後の食事が終わってから、スタートまでの水分補給は、糖がたくさん入った物は控えましょう。ちなみに僕はスポーツドリンクではなく水にしています。レース中の補給も1時間以内のレースの場合は水のみで、捕食は必要ないと思います。一度この方法を試してみてください。きっと、レース中いつもより体が良く動くはずです。

(向川尚樹)